AI銀行 2019 1 19

「晴れた日には傘を貸して、雨の日には傘を取り上げる」
 日本では、諸外国と比べると、起業が少ないと言えます。
その原因のひとつとして、銀行の融資があります。
 私は、2003年ごろから書いていますが、
銀行の融資姿勢を批判して、
「不動産があれば融資をするが、
不動産がなければ融資をしないというは、おかしい」と書いています。
 創業間もない企業には、
そもそも不動産がないので、融資を受けられないでしょう。
 私は、ビジネスモデルを評価して融資をすべきであると書いたのですが、
銀行業界は、「ビジネスモデルを評価するのは、難しい。
そもそも、銀行には、産業の『目利き』がいない」と称して、
相変わらず、不動産担保融資などの「定型的な融資」を続けていましたが、
「定型的な融資」は、AIコンピューターが融資審査をできるようになったでしょう。
 だからこそ、人間のほうは、
人間らしさが必要となる「目利き」によって、
ビジネスモデルを評価して、融資をすべきでしょう。
 さて、紆余曲折を経て、何とか一人前の企業になったとしても、
別の問題が発生します。
 2003年ごろだったでしょうか。
総合スーパーや総合デパートが経営危機になったことがあったと思います。
この時、問題になったのは、会社の借金に対して、
銀行が、社長個人に対して連帯保証人になることを求めていたことです。
 これでは、個人に対して過剰な責任を求めすぎています。
それに社長という連帯保証人がいることで、過剰な融資となってしまいます。
 やはり、会社というビジネスモデルを評価して融資をすべきであり、
社長個人に対して連帯保証人を求めるべきではありません。
 それでも、ビジネスモデルの評価を嫌がるならば、
銀行を廃止して、AIコンピューターによる無人の「AI銀行」を作るべきでしょう。
「晴れた日には傘を貸して、雨の日には傘を取り上げる」
 晴れた日には、つまり経営状態がよい時は、
銀行は、「経営資金を借りてくれ」と言ってきて、
雨の日には、つまり経営状態が悪い時には、
銀行は、融資を引きあげるでしょう。
 これでは、起業をする人たちは、
「稀代の勝負師」だけとなってしまいます。
 確かに、起業で成功した人たちの著書を読むと、
勝負勘が鋭く、まるで「山師」のように思える部分があります。
普通の人が普通に起業する時代は、日本では、「22世紀」になってしまうのか。
はたして、「22世紀」に、日本は、経済大国として存在しているのか。
(参考)
 2003年ごろ、銀行による「貸し渋り」や「貸しはがし」によって、
多くの日本企業が消えていきました。
これが、日本の「致命傷」になったかもしれません。

護送船団方式 2018 10 21
 「護送船団」とは、戦争の時に、
物資を輸送する船団の中で、
最も速力の遅い船に合わせて航行することにより、
船団全体を守ったことから、この名前がついたとされます。
 さて、松原聡氏の著書で、
「90ページでもよくわかる日本経済」(2003年)から引用しましょう。
 金融機関は、当時の大蔵省の護送船団方式と呼ばれる保護の下に、
まともな競争を行わず、ぬるま湯のような環境の中にありました。
 大蔵省は、弱い金融機関にあわせて、
強いはずの大銀行を規制しながら、
金融業界全体を守ろうとしたのです。
 たとえば、欧米では、
20年前から当たり前だったATMの24時間運用が、
日本で大きく遅れたのは、
強い銀行が、このサービスを始めると、
24時間化ができない弱い銀行が経営に悪影響を受けるからというものでした。
(引用、以上)
 あれから15年も経過しました。
金融業界は、何も変わっていない感じがします。
しかし、世界は、大きく変わりました。
 私は、2003年に銀行を「構造不況業種」に指定して、
大規模な改革を推進すべきであると主張しましたが、
15年経っても何も変わらなかったのです。
しかし、世界は、この15年間に急激な変化がありました。
 鎖国をしますか。
護送船団方式を続けたいならば、
「経済的な鎖国」をする必要があります。
 しかし、自由貿易を主張しながら、
金融サービスにおいては鎖国というのでは、筋が通らないでしょう。
 日本は、自由貿易において、大きな利益を受けながら、
金融分野には非関税障壁があるというのでは信用を失います。


































































































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